後世にも伝えたい、日本の美しい染織の技と美。
きものは、日本の長い歴史と四季折々の美しい花鳥風月のなかで、
日本人の美意識とともに育まれてきました。
きものの紋様である意匠デザインに日本人の感性が、
緻密で繊細な染や織の技法のなかに日本人の技が、ぎっしりとつまっています。
「三代目セレクト」は、しの友三代目として受け継いだ審美眼で、
選りすぐった染と織をご紹介していきます。
ぜひお楽しみください。
三代目セレクト☆コレクション
染 千總の友禅
日本の京友禅をリードする老舗工房
名実共に日本の友禅界を代表する千總さん。新作発表会をたずねると、ほんとうにきれいな色と柄のきもので会場はいっぱいです。
千總の創業は1555年。以来450年以上も、日本の四季折々の美しい花鳥風月を描いています。
450年の歴史は、ただ伝統を守るだけでなく、革新の連続だったと聞いています。江戸時代のきもの図案の「友禅ひながた」は今見てもとても斬新です。明治には日本画家に図案を依頼したり、近年ではパリコレにテキスタイルを提供したり・・・常に「新しい美を創る」ことにチャレンジするからこそ伝統として、いつの時代も輝きを放ちながら生き残っているのだろうと思います。
写真の品は、ご婚礼支度きもののメイン写真としても紹介しましたが、色も柄も素敵で、千總さんらしいとってもきれいなきものです。
織 北村武資 帯
「羅」・「経錦」重要無形文化財保持者(人間国宝)
北村武資さんは、「羅」と「経錦」2つの技法で人間国宝となった、西陣を代表する染織家です。
若い頃、今までにないものを・・・誰もやってないものをと探し求め、羅と出会い、もじり織と呼ばれる不思議で美しい織物を再現したと聞いています。
その後に正倉院に眠る「経錦」の復元にも成功し、幻の織を復元しました。
写真の帯をご覧いただくとわかると思いますが、余分な色を使わず、金一色で最上級のエレガントな帯に仕上がっています。
とても軽くて、やわらかく、素敵な留袖とコーディネートしてみたくなります。
- 1995年 重要無形文化財保持者に認定される「-羅織-」
- 1996年 紫綬褒賞を受賞
- 2000年 重要無形文化財保持者に再度認定される「-経錦-」